目的半分、暇つぶし半分。

文章力をあげるため、そしてなにより暇つぶし。

ペット、老い、それから

お題は「ペット」でありますが、これは私が要求したお題であるにもかかわらず私はペットを飼っていないし、特にペットに想い出もないのです。(Kのネコ論考が読みたかっただけ)なので、今回は私の祖母が飼っている犬の話をしましょう。この犬(以降、彼)は私が小学3年生の頃に祖父母が飼い始めた犬で、おバカなのですが可愛らしい犬なのです。そんな彼は去年下半身を動かせなくなり、排便も不自由になりました。このことを母から聞かされた後に彼に会ったとき、彼の姿を見て何とも言えない気持ちになりました。彼は犬用のおむつを履き、前足で体を引きずりながらもわたしを出迎えてくれました。長い舌をヘッヘッヘと出しながら私の久々の来訪を歓迎するのです。そんな姿になっても人を和ませようとするのは彼の本分なのか、私は痛ましい気持ちになったのでした。このとき当たり前のことですが、ペットもまた老いていくのだということを現実のものとして知ったのです。ペットを飼うということは彼、彼女の生に責任を持つことであります。私はそれまで30歳になっても独身だったらネコちゃんでも飼うかと思っていましたが、考えを改めざるを得ませんでした。彼らは元気なうちは私たちに癒しを与えてくれるでしょうが、いずれは彼らも老い、そのときは彼らの介護をして最期は看取ってやらなければならない日が来るのです。私は寂しがり屋ですし感受性の強い人間ですから、彼らとの死別に相当気を落とすに違いありません。ペットは飼わないことにしましょう。ただ、ペットと暮らすこともできないとなると、わたしと共にいてくれる存在がそばにいるという未来が見えてきません。寂しさと冷たさを何とかやり過ごして生きていく30代40代が待ち受けていそうな気がします。ですが、私は弱く卑怯な人間でもありますから、自分の人生を耐えるのに精いっぱいで、とても誰かの人生を背負うことなどできないでしょう。老いは孤独や死を連想させます。これ以上はやめにしましょう。